A×Oの祭

 小さな商店街では、ささやかな祭りが行われるという。全く人通りのない道を一人で歩く。 道中、反対側の道路に長い何かが落ちている。 最初、木の枝かと思ってたら違う、近寄ってみると長い蛇だった。 そう。うねうねとまっすぐ歩く蛇だ。 向こう側を歩いていなくて本当に良かった。おい、今笑ったのは河童か? 田舎の道はどこまでも歩けそうで、寂れた商店街の方にまで、出てしまった。 多くも少なくもない人だかりの中に、見え隠れする奇妙な踊りとチーズボール。 その脇で、河童は子供達に踊りを教えテイル、子供達はじぶんの首に汗をなめとる蛇を飼って(/ _ ; ) その尻尾を掴んではブンブン振り回している様を見れば、どんな大人になるかはだいたい検討がつく。 かたや、茶碗やパイプやスリッパで作った奇妙な人形を作るおじさんたちは子どもの顔したお面を被って 無我夢中なのだから、ATOの祭りだ。 ここは退屈で楽しいA×Oのお祭り。 あれ、そういやここで子供の頃、絵を描いたっけ。 もう亡くなった祖父と、小学生の私を並べて、おまけに賞状持たせて そうそっちだよ、さあ、もすこし笑ってと、写真だけ撮って食べずに帰った。  


©︎2017 Honami watanabe.


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渡邉帆南美website

詩+絵+額縁の外=かめれおん芸術 を発明。